現実RPG
「戦い方すら忘れている今のお前に、何を言っても無駄なことはわかっている。だが、よく考えろ。なぜ、町の人は、お前の名前を知っている?」


「え?それは……」


「いずれ、思い出す。他の大魔法使いは戦えない事を知っている。だから俺が、いずれお前の力になる。俺は、炎魔法使いの竜太だ。……といっても、俺は大魔法使いじゃねぇがな」


そう言うと、拓馬をおいて歩き出そうとする竜太。


「拓馬、よく聞け。ここを北に1日ほど進んでいくと、町がある。ロードと言う町だ。そこで、落ち合おう。そこから先は、お前や俺1人じゃ到底進めない。2人で行こう」


「ちょっと待てよ!それなら、今から2人で行きゃいいじゃねぇか!」


「お前1人の力で、町までたどり着いて見せろ。ロードまで行けないような弱い奴じゃ、仲間になっても意味ないからな。お前が死んでも、俺は1人でもアークデーモンを倒しに行く。あ、それと、一度町へ戻れ。その鎧じゃ、進めないだろ。じゃあ、待ってるぜ」
< 96 / 202 >

この作品をシェア

pagetop