現実RPG
そう言うと、竜太は北へ向かって一人で歩き出してしまった。


「……」


しばらく、何がなんだかよくわからなくなった拓馬。


俺が、ゲームの住人だと?そんな、バカな……俺は瞬きだってするし、自分の思った通りに歩けるんだ……


拓馬はゆっくりと立ち上がると、町に向かって歩きだした。


「あ、竜太がなんで普通に話せるのか、聞くの忘れた……まぁいいか、次の町で聞けばいい」


5分程歩くと、さっきの町に着いた。


色々考えていた拓馬は、草原にはモンスターがいることを忘れてしまっていたがそこまでは幸運なことに、モンスターには出会わなかった。


町に着くと、すぐに武器屋で鎧を買った。


拓馬の所持金は、5000円だった。再び文無しになったが、鎧のためなら仕方ない。


「さて、行くか」


再び、町を出ようとする拓馬。が、踏みとどまる。


「……」
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