現実RPG
この草原には、ボーンナイトがうようよいる。


一体でも、敵わない。こんな状況で、ロードまでたどり着くことができるのか……


「ええい、行くか!」


再び草原へ出た拓馬は、北へ向かってひたすら歩き出した。


「確か、1日かかるって言ってたな……」


そう呟くと、怖くなってきた。


さっきのボーンナイトとの戦闘を思い出し、心臓がドキドキする。


そのとき、背後に気配を感じた。


「!」


サッと振り返る拓馬。そこには、鎧を着た戦士が立っていた。


剣を持っている。目が赤く、顔はジャーミス塔で会った魔導師のように影のようで、輪郭が見えない。


剣を構える拓馬。


「ハッ!」


素早く切りかかる拓馬。戦士はその攻撃を剣で受けると、今度は拓馬に切りかかってきた。


「ぐっ!」


剣速は、ボーンより少し速い程度だ。受けられる。


剣と剣が当たりキンという金属音が鳴り響くと同時に、拓馬の足は戦士の腹部を捕らえた。
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