女ごころのうた
待ち受けのあなた

ケータイの待ち受けは、あの人の横顔。


パッと映しだした瞬間、命が吹き込まれる。


触れてもいいよね。


もう触れてるけど。


横向きなのと、髪がかかっているのとであの人の目は見えない。


どこを見て、何を考えているのかわからない顔。


だからいいのだ。


あやふやで、浮いているような感覚。


想像の余地がある写真。


もしかしたら、という希望のある写真。


どこにも、なんにも、だれにもとらわれていない、あなたの写真。


だけどわたしには見える。


進むべき道が、見える。

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