僕と彼女と屍と…
「ギャッ!」

思わず竜平は跳びはねて避ける。
本棚の下から出られない屍は竜平の体を捕まえられなかった。

「あ、危ないな…」

竜平はそそくさと保健室を後にする。

教室に着くまでに屍には見つからずに済んだ。
武器が無い状態だと屍には間違いなく勝てない。
まぁ、さっきみたいな例外もあるが…。

「先生、大丈夫ですか?」

竜平が教室に入りながら言う。

「ああ、悪いな。屍には襲われなかったか?」
「大丈夫でしたよ。何とか倒しましたし」
「そっか…」

竜平は早速品田の治療を始める。
つい最近、保険の授業で包帯の巻き方を習ったお陰で難無く治療は終わった。
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