僕と彼女と屍と…
通路の先にはドアがある。
あそこに行くしか無い。

後ろからは絶えず銃声が聞こえてくる。

竜平はドアまでたどり着くと重いっきり体当たりする。

ドアはびくともしない。

今度は重いっきり引いてみる。

やはりびくともしない。

竜平は振り返る。
警官は既に通路に来ている。
逃げ場は…無い。

竜平は最後の覚悟を決め、リュックを開けると先ほど拾った銃を取り出す。

竜平は銃を構える。
勿論、今まで銃を撃った事など一度も無い。

警官は弾が無くなったのか銃を捨て、こちらに向かってくる。

竜平は覚悟を決めた。

銃声が響く。

屍が倒れる。

その倒れた屍の先に一人の警官が立っていた。
手には煙が出たままの銃。
その警官は呟く。

「やれやれ、面倒な事になったな」
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