僕と彼女と屍と…
「まぁ、兄ちゃんが何者かは聞かない。世の中には聞かない方が楽な事もあるからな。ただ、俺にも警官としてのプライドがある。ここは危険だ。他に行きな。俺が出口まで案内するよ」

男は名前を平山と名乗った。

「平山さん、何処から逃げるんですか?」
「正面からは危険だからな。裏口から逃げるぞ」
「分かりました。じゃぁ行きましょう」
「待て待て。兄ちゃん、銃持ってるよな?」

先ほど拾った銃の事だろうか。

「やっぱ、返した方が良いですかね?」
「いやいや、こんな世の中だ。銃の一つでもあった方が良いだろう。軽い、銃の扱い方を教えるよ」

足は肩幅に。
手は平行に伸ばす。
反動に備え、足の力を抜く。

これが簡単な銃の撃ち方みたいだ。
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