僕と彼女と屍と…
竜平はこっそりドアを開け、階段を見る。

そこには見るも無残な階段の姿があった。

ハンマーで何回も叩いたのだろう。
三階へ行く為の階段が破壊されていた。

ハンマーだけで階段を壊した男の存在に今更ながら竜平は恐怖を抱く。

どうりで銃弾も痛そうにしない訳だ。

しかし何故だ?

竜平はドアを閉じながら考える。

奴らは元は人間。
人間の死体だ。

つまり、人間をベースに出来ているはずだ。
世界で一番身長が高い人でもあんなに背は高くないだろう。
何より、あの力。

馬鹿だろ?マジで?

どんな奴がハンマーだけで階段を壊すんだよ?

あのハンマーで叩かれたら…と思うと竜平は生きた心地がしなかった。
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