僕と彼女と屍と…
「あ、先生居たんすか。ちょっとどうなってるんですか?学校には誰も居ないし、入口にはバリケードがあるし…」

担任がこちらを見る。
その顔は青く、瞳に力は無かった。
そして…服が赤く染まっていた。

「え?ど、どうしたんすか?それ」

担任は返事をしない。

「あ、あはは…じょ、冗談ですよねー?」

担任は明らかこちらに向かっている。
竜平は後ずさる。

担任が近付いて来たとき、確信した。
逃げようと。

竜平は慌てて教室のドアから出て隣の教室に向かう。
そして鍵をかけると、部屋の中に倒れ込んだ。
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