スマイル☆
あたしは必死で玉をかき集めた…


涙が廊下にポタポタ落ちる




「先輩?」





顔を上げると藤城だった



彼は泣きながら玉を拾うあたしを抱きしめた…



あたしは玉を握りしめて
彼をふりはらったりはしなかった…



この人を好きになればよかったんかな〜



違う…
今は凍りついた心を慰めてくれるなら誰でもよかったのかも?


なんか支離滅裂でやけくそな自分がいた…





「先輩
俺さ〜日直でこれをクラスに持って行かなあかんから
ここで待ってて」


彼は授業で使う大きな巻物を持って走り去った…




あたしは藤城を待たずに外に出た。
彼と一緒だとまたややこしくなるしね!

校舎の裏から回って非常階段を駆け上がる



3階から景色を眺めた

風が冷たいし
涙が止まらない…




あたしはポケットに入れたバラバラになった玉を1つ手に取り空に透かした…


紫が綺麗



「いたいた」


優が探しに来てくれた


階段を駆け上がってきた優の顔を見ると
枯れるほど流したはずなのに涙がまた溢れてきた


優は何も言わずにあたしを抱きしめてくれた


しばらくは優の温もりを感じてた…



優が口を開く



「レン、授業中に藤城が来てんで」




「えっ」




「『夏木せんぱ〜い』って 教室の前で大きな声で呼んでたで!(笑)

担任がドアを開けたらアイツやったから
私が廊下に出て話を聞いてん。
レンが泣いてて、自分が戻るまで待っててと言ったのに
いなくなってからクラスに来てんて…
アイツ心配してたよ」




「そっか…それで優は授業抜けてきてくれたん?」


「その通り」


「ごめん」


「全然いいよ」



優 ありがとう

o(^-^)o 





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