育児ってパネェ!
処置室に入って看護師さんに案内されるがまま診察台に寝転びました。
支度を終えた先生が私の足の間に立ちます。
「じゃ、今日はホチキスを半分くらい取るからね」
「はい。お願いします」
心臓がドキドキ騒がしいのを隠す必要もないけど必死に隠して『余裕ですよ』の顔をする私。
先生はハサミに似た器具を手にして、そいつを遠慮なく私の腹に近づけ……
パチンッ。
パチンッ。
完璧にホチキスを切ってる音が聞こえてきます。
あぁあぁぁっ!
切ってるよ!
で、コレ抜く時痛いんでしょ?
絶対痛いんだーーー!
と思っていたら、カラン、カランと音がし始めて。
何の音よと不思議に思いながらも、怖くて何をしているか見れないチキンな私。
と、先生が声を出しました。
「はい、じゃ残りはまた次回ね」
……え?
おしまい?
本当に取ったのかと思うくらい、何の痛みも感じなかった私は拍子抜け。
と同時に、痛くなかった喜びに踊りたいくらいの気分でした。