ソフトキャンディ
幼なじみ
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「恵美ちゃん!!これで元気出して?」
そう言って康典が私に差し出したのは、いちご味のソフトキャンディだった。
――――
「…野…森野!!」
顔を上げると真野ちゃんのドアップ
「なに~?」
「なに~?じゃない!!
受かったからといって気を緩めるなって言っただろ!?」
「あ~…すいません。」
「まったく…」
私は森野 恵美(モリノエミ)中学3年生
まだ公立高校の受験が残っているにもかかわらず、クラスのほとんどが私立進学で公立受験者も私立で合格しているため、クラス内は皆だらだらとしていた。
今は数学の時間
担任の真野ちゃんは授業がわかりやすくて楽しいと評判だが、進路が決まってだらだらしている私たちは、耳を傾けようともしない。
聞いているのは一部の真面目な生徒のみ
もちろん私は真面目ではない