ソフトキャンディ
ピーッ
「あっ!!練習終わったみたいだよ!!」
部員がバラバラとバラけている中、康典は真っ直ぐ私たちの方に歩いてきた。
「康…」
「康典!!」
えっ?
西川さんの方を向くと、そこに彼女はもういなかった。
西川さんは康典の方に駆け出していた。
そして…
「お疲れ様♪」
そう言って康典にタオルを渡す姿は、まるで彼女のようだった…―――
「森野さん!!もうわかってると思うけど、彼氏の康典♪」
嬉しそうに私に話す西川さん
康典は私と目も合わそうとしない。
「康典…本当なの…?」
私が尋ねても康典は答えてくれない。
「そっか…。康典も教えてくれればよかったのに…
おめでとう!!」
この時の私にできた精一杯の笑顔で私は言った。