ソフトキャンディ
「お前歩くの遅いな~!!」
振り向けばもう康典がいた。
「考え事してたんだもん…」
「お前でも考え事なんてするんだ!!」
昔を思い出していたせいなのか、ヤキモチをやいているせいなのか、私はそっぽを向いた。
「~~♪」
鼻歌なんて歌わないでよ…
他の女の子に告白されたこと喜ばないでよ…
私って本当にわがままだな…
「そういえばさ~俺、恵美と同じ高校行くんだよね♪」
「えっ!?」
私が行く高校は私たちの家から歩いて30分ほどのところにある私立だ。
はっきりいってレベルは高くない。
「なんで?康典ならもっといいとこ行けるでしょ?」
「ん~でも近いとこのがいいじゃん♪」
高校は絶対に離れてしまうと思っていたから、本当に嬉しかった。
また康典と通える
そう思ったら今まで考えていたことなんてぶっ飛んでしまった。