カラカラライフリズム
一樹は菓子を食べ終えると、

空になったパッケージをぐしゃぐしゃにして、

ワークパンツのポケットに入れた。


彼は、そんな部分で律儀な人間だった。


いつも、一樹はこうして樋口に車で送って貰っている。

何故なら、そうでもしなければ一樹が平気で仕事を忘れるからだった。

二人が向かっているのは、死刑囚が刑の執行を待つ『執行所』だ。

そこの事を「死神の館」と呼ぶ人間もいる。

確かに、生きてそこから出た囚人はいないので、

無難と言えば無難だった。

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