カラカラライフリズム



だが実際は大抵の人間が「館」と聞いて、
思い浮かべるような装飾など一切無く、

むしろ、無機質過ぎな造りの建物の内部を知る一樹としては、

「死神の館」などという仰々しい言い方は、

いささか格好の付け過ぎだと思ってる。




やがて、一樹はうとうとし始めた。

昨晩の夢見が悪かった所為なのか、

惰性でソファーをベッドの代わりにしているからなのか、

妙に体が疲れている。

目的地に着くまでにはまだ少し時間があるので、

一樹は本能に任せて目を瞑った。

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