カラカラライフリズム
その瞬間、天井――つまりは上の階から、
怒鳴り声を聞いて腹を立てたようなドカッ!
という音が聞こえて来た。

椅子でも床に叩き付けたのだろうが、
つまりはこれだけ怒っているぞという意思表示だ。

しかし樋口にしてみれば、


「須藤のあんにゃろうどうにかして!」


と叫んだ、あのすぐ物を壊す彼女の癖も、
どうにかして欲しいところだった。

例え今回光の部屋に来た理由が彼女の苦情だったとしても、
それとこれとは話が違う。

……まったく、本当にここにはまともな人間が、
一人としていない。

光は理由を悟ったのか、皮肉っぽく溜息を吐くと、
場違いな笑みを浮かべた。


「また晴喜(はるき)の癇癪だろ?
あいつマジうざーい」


まさに大人をからかう小さな子供といった感じで、
光はけらけら笑い出した。

< 148 / 860 >

この作品をシェア

pagetop