カラカラライフリズム

「須藤光だよ。……ひっさしぶり~。いっちゃん痩せた?」


光は、一樹が顔を引き攣らせて立ち止まると、
笑いながら近寄って来て一樹の肩をばしっと叩いた。


「おいおい、無視すんなよ~!」


一樹は、低い声で言った。


「……女みたいな事言ってんじゃねえよ。
失せろ、キモい、触んな」

「はー?何それ何それ。超傷付いた!
慰謝料要求してやるー」

そう言うと、光は一樹の額を指先でぱしぱし叩いた。

痛くは無かったが、不愉快極まりなかった。

一樹が、光を殴ってやろうと重たい方のボストンバックを振り上げた時、
やっと樋口が仲裁に入った。

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