カラカラライフリズム
光は、ドアに向き直った。

そして、思い出したように、


「そうそう。いっちゃん…
…キリンが全力疾走出来ない理由、知ってる?」

「は?」

「キリンは首が長過ぎるから、
走り過ぎると脳が酸欠になって死んじゃうんだってさ。
……じゃあな」


そこでドアが閉まった。


「……相変わらず訳分かんねえ奴だな」


一樹は、すっかり散らかされた部屋をどうしたものかと見回してから、
とりあえず盗聴器と呼ばれた黒い小箱を、
光が置いて行ったドライバーで叩き壊した。床に傷が付いた。
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