カラカラライフリズム
彼女は喜ぶどころか激怒したのだ。

一体数百万はくだらない、と評価を受けた人形の姉妹達を、
床に投げ落しては次々に壊していった。


「――やめろ!どうしてこんなことをするんだ!?」


烈火の如く怒ったのは、人形を譲り受けた男だった。

丁度彼は値段の交渉に来たところで、
樋口の止めも間に合わず、彼は晴喜を怒鳴り付けていた。

瞬間、彼はしまった、と思ったに違いなく、後悔の色を露わにしていた。

晴喜は驚いたように目を見開き、
人形を壊す手を止め、その場にへたり込んだ。


そして、


「……何よ」


途轍もなく低い声で呟くと、泣きじゃくり始めた。
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