カラカラライフリズム


「――起きたか、一樹(いつき)。

悪いけど勝手に入ったぞ。

…ってか、いい加減部屋の鍵ちゃんと締めとけよなマジで。

ここオートロックじゃねぇんだから」


声は、青年を仕事のために迎えに来た男――樋口のものだった。


「んあ?……何だ、あんたか。何の用?」


「『何の用』じゃねぇよ。今日はお前の番だぜ。

だから迎えに来てやったんだよ。

ほら、早く支度しろ」


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