カラカラライフリズム


いつまでもソファーから起き上がらない一樹に、

樋口は床に落ちていた、黒いパーカーを投げつけた。

パーカーは、毛布から僅かに出ている樹の顔面にボスッと命中する。

すると、そのまま微動だにしないパーカーから、


「……今日何日だっけ?」


と、とぼけたようなくぐもった声が聞こえ、

樋口がため息混じりに十三日だ、と答えた。


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