カラカラライフリズム
「私、三人家族だったんですけど、
今でもこうして三人で食卓囲めるなんて、
とっても嬉しいわ……」

幸枝はふと、そんな事を言い出した。

一樹がスプーンを咥えたまま、
ちらりと横目で樋口を見る。


樋口は水の入ったグラスを口から離し、

「あんた、進学の為に上京して来たのかい?」

「ええ…まぁ、そんなところです」

幸枝は若干樋口に苦笑しながら、

「一人で?」

「はい、そうです」
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