カラカラライフリズム
一樹はしばらく物珍しさに光の醜態を観察していたが、
そのうち面倒になって、足元の方にあった毛布をばさりと彼に頭から被せた。
すると光が、大人しくなる。
というより、そのまま動かなくなった。
「おい」
毛布の中から、くぐもった声が聞こえた。
「……寝る!」
「だったら自分の部屋戻れよ」
「知らねーよーだ」
そう言ったきり、光は本当にすやすやと寝息を立てて、眠ってしまった。
こいつが無防備な姿を晒すのも珍しいな、と思いつつ、一樹は溜め息を吐いた。
結局、何も話せないんじゃないか……。
「……なあ、晴喜が変わったらしい事については、分かった。
あともう一つ訊くけど……」
返事が無いのは承知で、尋ねてみた。
「晴喜が人形を作らなくなったのは、いつからだ……?」
作らなくなったのは……。
作れなくなったのは……。