カラカラライフリズム
「玉城」
進藤は、男の名前を呼んだ。
「うん」
玉城は返事をした。
「今は、その話はしていない」
「そうでしたそうでした。
……で、事務の藤原君を殺した少年兵の話だっけ?」
『ごはんもう食べたの?』くらいのノリで、玉城はさらりと言ってのけた。
「可哀想な事したよねーぇ……事務って、安全な雑用のはずだったもんねえ……
まあ、あの非常事態下なら仕方無いと言えない事も無いのかなあ。
テロだったんだもんね。
まあ尊い犠牲だってのに変わりは無いけど、こんな若いのに死んじゃったのかぁ……。
あー可哀想可哀想」
全然可哀想に思っていなさそうに、玉城はにまくし立てた。
一方進藤は、言われるがままになっていた。
腹を決めていた。
藤原が死んだ原因は、彼にもあったのだ。
あの時彼にCPGを任せなければ、少なくとも彼は死ななかった。
「それにしてもびっくりだよねえ。
テロがあった所内じゃ、死傷者ゼロだったのに、油断大敵だよねー正に……」
「………」
「……黙らないでくれよ。
あんま、深い意味で言ったんじゃないし」