カラカラライフリズム



二人は、執行庁の要人護衛の為に、約一週間前に執行所を出た。

並のSPよりも、CPGの方が身体能力も、いざという時の『対応』にも優れてるというのが、彼らを護衛として起用する理由だった。

しかし、それでももちろん大量のSPも護衛に着いた。
 

向った先は、『新希光会』の本部――……。
 
吉野は、思い出す。



小野村純一。

中町和孝。


彼等は、最後に見た時に笑っていたのだ。

CPGの中では珍しく、忠誠心の特に強い二人だった。

執行庁の述べる建前を本気で正義だと信じ、どんな命令にも無邪気に従っていた。

そのくせ執行の事は、きちんと割り切っていた。

当局にとって、まさに理想のCPGだったといえるだろう。
 

だからこそ選ばれた二人は、任命を誇りとして胸に抱いたはずだったが、





皮肉にも青年たちは死体となって発見された。
 

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