カラカラライフリズム
どこにいるんだろう?
――辺りを見回すが、どこにも誰もいない。
だが、泣き声は止まない。
やがて、彼女は気付く。
そっと触れた、自分のお腹。
掌が触れると、泣き声は激しいものから、愚図るように甘い泣き方に変わった。
何とも言えない愛しい気持ちが、心にふっと浮かぶ。
ああ、君はここで泣いてるんだね……。
だが次の瞬間、腹は重く冷たく沈むように痛む。
泣き声は、もうしない。
消えてしまった。
いなくなってしまった。
まだ駄目、まだ、外に出てはいけないのよ……!
その夢から目が覚めた時、吉野は自分が泣いているのを知った。
今は、それと同じ感覚だった。
――これから一体、何人のCPGが死ぬのだろう。
大人の都合で。
自分達の判断で。
……何を信じて、彼等は逝くのだろう。
死地へ……。