カラカラライフリズム
さすがに、樋口がこっそりと一樹に、
「おい、彼女どうにかならないのか……」
「……ならない、と思う……」
「何とかしろよ」
「何で俺が……」
一樹が嫌がると、吟子がとんでもないことを言い出した。
「そうだ一樹……そこの奴に、私達の事を言ってやれ」
「何を?」
「何を、とは何だね……。
――恋人に向かって……」
反射的に樋口が、一樹の頭に拳を叩き込んだ。
「痛いっ!」
「夢じゃないのか……」
「確認なら自分でしろよ。
何でわざわざ俺を殴るんだ……!」
「いや、今幻聴が聞こえたような気がして、だな……」