カラカラライフリズム



さすがに、樋口がこっそりと一樹に、


「おい、彼女どうにかならないのか……」


「……ならない、と思う……」


「何とかしろよ」


「何で俺が……」


一樹が嫌がると、吟子がとんでもないことを言い出した。


「そうだ一樹……そこの奴に、私達の事を言ってやれ」


「何を?」


「何を、とは何だね……。


――恋人に向かって……」
 

反射的に樋口が、一樹の頭に拳を叩き込んだ。



「痛いっ!」


「夢じゃないのか……」


「確認なら自分でしろよ。


何でわざわざ俺を殴るんだ……!」


「いや、今幻聴が聞こえたような気がして、だな……」


< 825 / 860 >

この作品をシェア

pagetop