カラカラライフリズム
突然、大汗をかいてしどろもどろになる樋口を見て、吟子はけらけらと笑っていた。
「おいおい、そんなに驚くなよ。
CPG同士の交際は、禁止しているわけではないのだろう?
獄中の囚人だって婚姻の権利はある。
……だから前例は無いが、私達だって結婚くらい可能なはずだ。
なあ、一樹?」
一瞬ちらりと、吟子は無表情になった。
それだけで、一樹は理解した。
今後、二人きりで会うには、そのくらいの口実を作っておいた方がいいのだろう。
正直、好きでもない誰かといたずらに交際するのは気が進まなかったが、今はそんな道徳など大した問題ではない。
こっちは、命がかかっているのだ。
「……一樹、お前、……本気か……?」
樋口が、頬をぴくぴくさせながら、一樹を見た。
「お前達さっき、初対面て言ってただろ……」