カラカラライフリズム



「吟子は……何でそんなに偉そうなんだ?」


「気にするな。ただの癖だ」
 

答えながら、吟子はぷいっと別の方を向いてしまった。


「スクールの時に、教官に言われなかったのか?」


「ああ、最初の頃はよく生意気だと注意された。


……だがその都度、徹底的に教官を論破してかかったからな。


そのうち、誰も何も言って来なくなった」


「へえ……」
 

論破とは、また根気のいる事をしたものだと、素直に思う。
 

一樹には、そんな面倒な事は決してまね出来ない。
 

だから、教官に逆らった事はあまり無かったし、勉強もそこそこにやった。


真面目でいる事は、案外とても楽な事なのだ。


波風立てなければ、下手に煩わされる事もない。



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