カラカラライフリズム



もしや、この子はあれか? 俗に言う、一樹のコレか? と思ったら、何やら彼等は初対面の様子だった。


そして、しばらく二人を見守っていたものの、面倒になってきて、離れた。


しかしその十数分の間に、何が起こったというのだ……。


どう考えても一樹も彼女を持て余していたようなのに、


どういった心境の変化だろうか、一樹は彼女と付き合うという宣言をした。


信じられない……! 今日は雷が鳴っているが、このまま雪でも降ってくるとでもいうのだろうか。



――あの生活破綻者に、恋人だと……! 


……随分、人間らしくなったもんだ。


はじめて樋口が一樹と出会った時の光景が、脳裡に蘇ってくる。


季節は忘れたが、晴れた日だったのは覚えている。


< 834 / 860 >

この作品をシェア

pagetop