カラカラライフリズム
結果として、樋口は約束されていたエリートコースから外れ、
しがない担当官の一人として働く事を余儀なくされた。
でも、それでいいと思った。
会議の末に、一樹は治療としてもう一度『機械』にかけられる事になった。
彼の閉じた世界は、もう一度こじ開けられた。
しかし、それでやっと……一樹は人並みの感情を取り戻す事が出来たのだった。
一樹を殺したくないと思った。
だけど彼には、生きる為に他の誰かを殺さなければならない運命が待っていた。
生半可な同情で、樋口は一樹を鬼の道へ突き落した。