カラカラライフリズム



「宮本一樹か……あのガキ、あんな大人しそうな成りして、


犯罪歴は『殺人』だってさ……」


 
同僚は、樋口の肩を叩いた。


「気に病むなよ。


別に、お前の選択は間違っちゃいないさ。


……どうせあいつは――最初から、人殺しだったんだから……



せいぜい、こっちは利用するまでさ」



 
現実が、重く圧し掛かってきた……。
 
樋口は、覚悟をした。


(……ああ、俺を許さなくていい、憎んでくれていい……)
 

CPGに課せられたのは、人の仕事ではないから。
 

それを強要している自分達だって、同じだ。




(ならせめて、一緒に生きよう)


 
地獄に落ちるのは、一緒だ……。


< 839 / 860 >

この作品をシェア

pagetop