カラカラライフリズム
考えてみれば、
彼女が失敗をやらかした時の行動はいつも何か変だった。

そして、料理など手慣れた動作に、
その危険が微塵も無い事も。

(あれは全部、演技だったのか…)

辛うじて意識はあるが、
体は動かない。

幸枝は、一樹から目線を外して、
大きく息を吐いた。

「思えば私ここ何年か、この為に…
…この為だけに生きて来たわ。

あんたを殺す為だけに、ね…」



誰かに命を狙われる事。

油断していたとはいえ、多少の覚悟はあった。
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