夢花
ロッジ

雨の夜

ものすごい 雨だった。



耳が痛くなるほどの激しい雨音。



吹き荒ぶ風と冷たい空気。



その日、私は森の中にいた。



寒い…。



寒さで体中が震えた。



とにかく体を暖めたかった。



休める場所を探し、森の中をさまよい続ける。



「痛い!」



私の足にツンとした痛みが走った。



見ると、おびただしい数の花々が私の足元を覆っていた。



「黒い花…?」



ぞっと背筋が氷りつく。



何本もの黒い花のトゲが私の足首をとらえていた。



と同時に、見つけた。



一軒のロッジ。


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