夢花
「あ…ああ…。」



悲痛ににも似た声が聞こえた。



美奈だった。




「やっぱり…私なのね…」



見ると、美奈の白い肌がますます白くなり、周りの風景に溶け込んでいくのがわかった。



「いや、いやよ。」



美奈は自分の体を必死に抱いていた。



「消えたくない!」



美奈の目からぶわっと涙が溢れだした。



その瞬間、



どんっ…と私の頭の中に何かが移り込んだ。







「かわいそいにな…。」

「足をトラックに押しつぶされたんだ。もう無理だろう。」




ここは…



どこ…?


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