夢花
「なるほど。そのコーヒーショップの彼女に惚れたわけか…」



本宮さんは俺の部屋でビールを飲みながら言った。



「ええ。好きかどうかはわかりませんけど、彼女のことが気になって仕方ないんです。」



俺もビールをぐいっと飲んだ。



「それを恋って言うんだよ。」



本宮さんがスルメを食べながら俺の肩をポンポンと叩く。



「思い切って、デートにでも誘ってみたらどうだ?」



「え?無、無理ですよ!俺にはとても…」



「気の小さい奴だなぁ。よし!」



そう言うと本宮さんがふいに立ち上がった。



「可愛い後輩のためだ!ここは俺が一肌脱ぐか。」

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