夢花
「え?」



その言葉に亜由美は驚き、子供達の方を振り返る。



「どういうことだ。」



俺は兄の前に座り、尋ねる。



「ママが幸せにならないように見張りに来たんだ。」



そして、



「ママは殺したんだ。僕達を。」



と、言った。



部屋の中に静けさが走った。



亜由美も俺も体が硬直したように動かなかった。



「殺した…?」



俺は亜由美の方を振り返る。



すると、亜由美は力が抜けたようにガクッとひざまずいた。



「あ、あなたたち、もしかして…」
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