夢花
「そうなのか?」



そう尋ねる俺の顔を見るなり、亜由美はぽろぽろと泣きだした。



「私、今までに2回、子供を堕ろしたことがあるの。あなた達、まさか、その時の…?」



亜由美は子供達の頬に手をあてる。



子供達は無言だった。



「なぜ?そんなことを?」



俺が聞くと、ぱっと彼女は自分の顔を手で覆った。



「まだ中学生だったのよ。生むことなんて許されるはずなんてなかった。ごめんなさい。ごめんなさい。」



すると、大泣きする彼女の前に小さな手が差し出された。



「やっと思い出してくれたね。僕達のこと。」



見ると、子供達が亜由美の頭を撫でていた。



「僕が殺されて、その後弟も殺されたんだ。」



「うう…。ごめんなさい。」



「だから幸せになっちゃダメなんだよ。ママは。」
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