夢花
そして彼らは、ゆっくりと消え始めた。



「あ…ああ。」



2人が消えるまで亜由美は2人を抱きしめていた。



長い、長い



夜が明けた。






それから数日後、



俺は亜由美と一緒に、彼らの供養をした。



それから彼らの姿を見ることはなかった。



秋の終わりの肌寒い風が俺と彼女の間を通り抜けた。



今日も俺達はいつものようにそれぞれの職場へと向かう。
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