夢花
次の日、僕は約束通り、市の図書館へと向かった。



図書館のある敷地には大きな池があり、たくさんの鯉が泳いでいる。



少し早めに着いた僕は、ボーッとその鯉を眺めていた。



すると、



「よぉ。」



裕司がやって来た。



生きてる。



「や、やぁ。」



昨日のこともあり、ギクシャクしてしまう。



「悟志はまだ来てないのか?」



「ああ。まだみたいだな。」



「ふーん。じゃあちょうどいいや。」



そう言って裕司はズボンのポケットをガサガサと探り始めた。







不思議に思って見ていると、



「ジャーン!」



裕司はそう言って驚くべき物を僕に見せた。



それは、かなり小型だったが、紛れもなく、拳銃だった。



僕は絶句した。


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