好きっていえなくて・・・


「どうした?」

陽亮は振り返り、
優しくたずねる。


タッ

傘を持って陽亮のトコロに駆け寄る。


「こ・・・これ!」

そう言って傘をさしだす。

雨はまだパラパラと降っている。

「まだ・・・降ってるカラ・・・」

なんだか恥ずかしくて俯いてしまう。

「い−の?」

コクコクッ

上下に激しく頭を振る。

「・・・・ありがと」

陽亮は優しく傘を受け取った。

ドキッ!

「風邪・・・・引かないようにね?」

「うん。大丈夫だよ・・・・あ、」

陽亮は、何かを思い出したかのように、
着ていた上着を脱ぎ始める。

バサッ

「はい。」

ふわっ



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