好きっていえなくて・・・
「はぁ・・・はぁ・・・・」
あたしは陽亮を追いかけて、屋上まで来た。
「な・・・にやってんだよ!」
聞こえない・・・・
陽亮の言ってるコトが、耳に入らない。
プイッ
「はやく、鈴木んトコ戻れよ!」
あたしカラ目をそらし、背を向ける陽亮。
タッ
「あぁ、愁司に預けた弁当でも取りに来たワ――」
ギュゥッ
「――陽亮」
陽亮の背中に抱きつく。
「―――え?」
いつもの間抜け声も、今日はあたしの口カラではなく、陽亮の口カラ漏れた。