好きっていえなくて・・・



「何でだよ・・・
鈴木と付き合ってるクセに、何で俺んトコにくんだ――」


「付き合ってないってば!!!」


ピクッ

陽亮の背中がわずかに動く。


クルッ

陽亮は向きを変えて、あたしの顔を見る。


「〜〜〜っ・・・」

グッ・・・・

「れ――」


パンッ!!


乾いた空気に、音が響いた。


「はぁ・・・はぁ・・・」

あたしは、右手で陽亮の頬を叩いていた。



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