好きっていえなくて･･･
「こないでよ!!」
追いかけてなんてこられたら
諦められないじゃん･･･
ﾄﾞﾝｯ
「きゃっ」
ｸﾞﾗｯ
廊下で誰かとぶつかり、ﾊﾞﾗﾝｽを崩した。
ｸﾞｲｯ
「―んぷっ」
とっさに、身体を引き寄せられ
無事転ばすにすんだ。
「ぁ･･･ｺﾞﾒﾝなさ―」
顔をあげると、その人は
さっきわかれたばかりの愁司君だった。
「玲奈ちゃん?!」
あたしが泣いているのに気づいたのか、
すごく心配そうな表情で見つめる
「どうしたの?!」
ぷつんっ
どこかで、何かが切れるような音がした。
それと同時に止まらなかった涙がさらに溢れ出した。
