好きっていえなくて・・・
「ぷっ、悠ちゃん、教師みた〜い♪」
楓が笑いながら言う。
「なッ!!俺は、れっきとした教師、だ!!」
「ムキになっちゃって、かわい〜」
楓と悠ちゃんの言い合いで、クラスの雰囲気は柔らかくなる。
カタンッ
自分の席について、鞄から教科書などを取り出す。
「玲奈、頑張ってね♪」
「ぇ・・・・」
楓は、ガッツポーズをしながら小さな声で言った。
「・・・ありがとう」
ありがと、楓。
あたし、頑張るから・・・
ちゃんと、自分の気持ち伝えるから・・・
それからの授業は、ほとんど上の空だった。
頭の中は、今日の放課後のコトでいっぱいだ。