好きっていえなくて・・・


「ゲームセット」

あたしの声と、審判の声が重なる。

「あ・・・俺のばんだ・・・」

「がっ・・・頑張ってね」

「ったり前じゃん玲奈が応援にきてくれたんだカラ、勝たなくちゃな」

「そ−だよ?あたしは勝利の女神なんだカラ」


なんてふざけてたら、
もう陽亮の番で・・・

「勝って・・・ね?」

クシャッ
いつもみたいにあたしの頭をクシャッとして、
優しく微笑む。

「心配すんな。ストレートで勝ってきてやるよ?」

ホッ

陽亮の自信たっぷりの言葉に安心する。

「あまりのかっこよさに・・・惚れんなよ?」

ニッと笑って走ってコートに行ってしまった。


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