君のキオク、僕のキオク
佐伯は髪をいじった。

「ちなみに校長も思い出せない・・・」

「おれは元々存在感0でしょ」

「そーだっけか?ははは」

佐伯はちょっと悲しそうに笑って、俺を見た。

「君の事、思い出したい。今日一緒に帰れない?」





「そっか・・・・君と一緒にいたんだ。あの時。お見舞いにも来てくれてたみたいだね。ごめん、ありがとう」

「ん・・・・」

家は同じ方向。佐伯の家の裏に俺の家がある。

「君とうちはどんな関係だったの?」

「ん・・・・・友達」

オレは少しずつ話をした。事故の話に差し掛かったとき、佐伯はちょっと目を閉じた。

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