君のキオク、僕のキオク
指先が触れた。琉矢は手を掴もうとしている。


次の瞬間、全身に鈍い痛みが走った。

体がフワリと浮いた。柔らかく浮いた。空が見える。暗くまっすぐな。

背中に衝撃。

意識が朦朧とする。痛みと言うよりは・・・なんだろう。

琉矢が見える。

手を重ねる。なぜか、とても恋しくて。

うちは呟いた。

琉矢が好きだって。

意識はそこで途切れた。
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