君のキオク、僕のキオク
男の子はとてもショックを受けた表情になった。

空気が冷たく凍る。ヤバいっ

「ちなみに校長も思い出せない・・・」

あづみかプッと吹き出す。汚い!と飛びのく。

「あれは元々存在感0でしょ」

「そーだっけか?ははは」

その、琉矢という男の子の方を向いて言った。

「君の事、思い出したい。今日一緒に帰れない?」

その子は静かに頷いた。

琉矢と一緒に帰った。家がめちゃくちゃ近いと言う。

ダメだ、全然分からない。この子のこと。

「そっか・・・・君と一緒にいたんだ。あの時。お見舞いにも来てくれてたみたいだね。ごめん、ありがとう」

「ん・・・・」

無口な子。ホントに仲よかったのかな。あづみが言うには「スゲー仲よかったよ!てか、変に気が合う的な?」とのこと。

「君とうちはどんな関係だったの?」

「ん・・・・・友達」

琉矢はちょっとずつ話を進めた。お祭りのこと。塾のこと。小学校のこと。

事故のこと。その瞬間、こめかみが痛んだ。





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